限界反応物と化学量論

物質量を係数で割って比較し、一方の反応物を変化させて収量の直線、折れ点、一定部分を確認します。

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限界反応物は量が最も少ない物質とは限らない

N₂ 28 g と H₂ 6 g では、水素は 2.9762 mol、窒素は 0.9995 mol ですが、限界となるのは H₂ です。反応式は N₂ 一つに H₂ 三つを要求するため、係数で割った 0.9921 と 0.9995 が決定します。

収量曲線は折れ点を持つ二本の直線

グラフで一方の反応物を増やすと、二つの物質量・係数比が等しくなるまで収量は直線的に増え、その後は一定です。折れ点が化学量論点で、それ以降の追加分は生成物ではなく余剰になります。

100%超は成功ではなく汚染か測定誤差

理論収量は原子保存則が定める上限です。したがって収率が 100% を超えるなら化学量論を破ったのではなく、生成物が湿っているか不純物を含む、または質量測定が誤っています。

全プロセスの詳細解説

  1. 8 g の水素と 40 g の酸素、そして酸素が先に使い果たされる 6 ステップ

    8 g の水素を 40 g の酸素とともに燃焼させる:2H₂ + O₂ → 2H₂O。どの反応物が反応を制限するか、水の質量、および容器内に何が残るかを求めよ。続いて、何も残らないようにするためには、さらにどれだけの酸素が正確に必要かを求めよ。

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    1. 反応式は分子の個数を数えるため、質量はモルに換算して初めて意味を持つ。H₂ は 2 × 1.008 = 2.016 g/mol であり、O₂ は 2 × 15.999 = 31.998 g/mol である。

      M(H2)=2.016,M(O2)=31.998 g mol−1M(\mathrm{H_2}) = 2.016,\qquad M(\mathrm{O_2}) = 31.998\ \mathrm{g\,mol^{-1}}
    2. 割り算をします。8 ÷ 2.016 = 3.9683 mol の H₂、40 ÷ 31.998 = 1.2501 mol の O₂。質量は五分の一なのに、水素の物質量は酸素の3.17倍です。

      n(H2)=82.016=3.9683,n(O2)=4031.998=1.2501 moln(\mathrm{H_2}) = \frac{8}{2.016} = 3.9683,\qquad n(\mathrm{O_2}) = \frac{40}{31.998} = 1.2501\ \mathrm{mol}
    3. 次に、それぞれを化学反応式の係数で割る。これがすべてを決定づける段階である。H₂ は 3.9683 ÷ 2 = 1.9841、O₂ は 1.2501 ÷ 1 = 1.2501 となる。数値が小さい方が使い果たされる物質であるため、酸素が限界反応物である — もう一方の反応物の5倍の質量がありながら、不足しているのは酸素の方である。

      3.96832=1.9841  >  1.25011=1.2501  ⇒  O2 limits\frac{3.9683}{2} = 1.9841 \;>\; \frac{1.2501}{1} = 1.2501 \;\Rightarrow\; \mathrm{O_2}\ \text{limits}
    4. この最小の比である 1.2501 は、反応式全体が進行できる回数を表している。1回の反応で水は 2 生じ、H₂O は 18.015 g/mol であるため、生成量は 1.2501 × 2 × 18.015 = 45.04 g となる。

      m(H2O)=1.2501×2×18.015=45.04 gm(\mathrm{H_2O}) = 1.2501 \times 2 \times 18.015 = 45.04\ \mathrm{g}
    5. 容器内を確認する。反応により 2 × 1.2501 = 2.5002 mol の H₂(5.04 g)が消費され、2.96 g の未燃焼の水素が残る。投入された質量は 48 g であり、生成・残存した質量は 45.04 + 2.96 = 48.00 g となり、計算の一貫性が確認できる。

      8−2×1.2501×2.016=2.96 g H2 left,45.04+2.96=48.00 g8 - 2 \times 1.2501 \times 2.016 = 2.96\ \mathrm{g}\ \mathrm{H_2}\ \text{left},\qquad 45.04 + 2.96 = 48.00\ \mathrm{g}
    6. 何も残らないようにするには、酸素が水素の比率である 1.9841 に達する必要があるため、1.9841 × 31.998 = 63.49 g となる。23.49 g 不足しており、まさにその分を加えることで生成量は 71.49 g に達する。それより 1 g 多く加えても、何の効果も得られない。

      1.9841×31.998=63.49 g  ⇒  23.49 g more, yield 71.49 g1.9841 \times 31.998 = 63.49\ \mathrm{g} \;\Rightarrow\; 23.49\ \mathrm{g}\ \text{more},\ \text{yield}\ 71.49\ \mathrm{g}

    解答

    限界試薬は酸素です。水の収量は45.04 g、水素は2.96 g残り、これをすべて反応させるには酸素がさらに23.49 g必要です。 ここで陥りやすいのは計算ではありません。質量は反応物の量に見えますが、化学反応式が扱う量とは違います。容器内の酸素は、質量では水素の五倍ある一方、物質量では三分の一にも届きません。反応式が数えるのは粒子です。見落とされやすいのは、物質量を係数で割る操作です。これを飛ばすと、今回のように数値の偏りが大きい反応では、限界試薬を正反対に判定してしまいます。変化を追うと、グラフが折れ曲がる理由もわかります。酸素が63.49 gに達するまでは、酸素が1 g増すごとに水が1.126 g増えます。それを超えると水素はすでに使い切られているため、グラフは水平になります。

  2. 回収したアンモニア28.4 g、収率84%、そして消えた5.4 gの行方 5 ステップ

    実際の収量を含むプリセットを読み込め:窒素28 g、水素6 g、回収したアンモニア28.4 g。収率を求め、続いて不足分がまだ容器の中に残っている可能性があるかを判断せよ。

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    1. 上限を決めるのは、最初に尽きる反応物です。水素6 gは2.9762 molであり、係数3で割ると反応式0.9921回分になります。窒素は0.9995回分を供給します。およそ四分の三パーセントの差で、制限するのは水素です。最小のモル数 ÷ 係数のカードが示すのが、この0.9921です。

      62.016=2.9762  ⇒  2.97623=0.9921  <  2828.014=0.9995\frac{6}{2.016} = 2.9762 \;\Rightarrow\; \frac{2.9762}{3} = 0.9921 \;<\; \frac{28}{28.014} = 0.9995
    2. 1回分ごとにアンモニアが2分子でき、NH₃は17.031 g/molですから、この容器が生み出せる最大量は33.792 gです。これは仕込んだ原子だけで決まる上限です。反応が実際に進むかどうかは、この数値のどこにも入っていません。

      mmax⁡(NH3)=0.9921×2×17.031=33.792 gm_{\max}(\mathrm{NH_3}) = 0.9921 \times 2 \times 17.031 = 33.792\ \mathrm{g}
    3. 回収した質量を上限で割ると、収率は84.0%になります。5.392 gの行方がわかりません。

      η=28.433.792=84.0%,33.792−28.4=5.392 g\eta = \frac{28.4}{33.792} = 84.0\%, \qquad 33.792 - 28.4 = 5.392\ \mathrm{g}
    4. それはまだ容器内に残った反応物でしょうか。ツールの表示をそのまま受け取ると、窒素が0.208 g残っています。仮にそのすべてが反応したとしても、増えるアンモニアは0.253 gにすぎず、不足分の二十分の一にも届きません。そもそも反応する相手の水素はもう残っていません。しかし、その0.208 gという値自体、反応が完全に進んだという前提のもとで計算されています。その前提のもとで5.392 gが説明できない以上、崩れたのは前提のほうです。

      (0.9995−0.9921)×28.014=0.208 g N2  ⇒  0.20828.014×2×17.031=0.253 g(0.9995 - 0.9921)\times 28.014 = 0.208\ \mathrm{g}\ \mathrm{N_2} \;\Rightarrow\; \frac{0.208}{28.014}\times 2 \times 17.031 = 0.253\ \mathrm{g}
    5. 上限は仕込んだ量から計算されるので、仕込みが変われば上限も動きます。水素を6.000 gではなく6.045 g、つまり窒素28 gがちょうど要求する量にすると、限界試薬は窒素に変わり、上限は34.045 gに上がります。同じ28.4 gの回収アンモニアが、今度は83.4%と表示されます。

      0.9995×3×2.016=6.045 g H2  ⇒  mmax⁡=34.045 g  ⇒  η=28.434.045=83.4%0.9995 \times 3 \times 2.016 = 6.045\ \mathrm{g}\ \mathrm{H_2} \;\Rightarrow\; m_{\max} = 34.045\ \mathrm{g} \;\Rightarrow\; \eta = \frac{28.4}{34.045} = 83.4\%

    解答

    84.0%。そして答えは「いいえ」です。不足する5.392 gのうち、フラスコ内に居場所があったのはせいぜい0.253 gです。 不足が示しているのは、反応が完全には進まなかったという事実です。理論収量は原子の数え上げにすぎず、可逆反応が一回の通過でどこまで進むかについては何も語りません。アンモニア合成はまさに、遠くまで進まない反応の代表例です。工業プラントが未反応ガスを回収して循環させ、一回通過の値で満足しないのはそのためです。

    分母は分子と同じだけ疑ってかかる価値があります。秤にかけられたのは分子だけだからです。分数の下側は仕込み量から推定されるので、同じ28.4 gを回収した2回の実験が、窒素とともに仕込んだ水素の量しだいで84.0%とも83.4%とも報告されます。仕込み量を書かずに示された収率は測定の半分でしかなく、しかも動かしやすいほうの半分です。

    η=mobsνp Mp min⁡i(ni/νi)\eta = \frac{m_{\mathrm{obs}}}{\nu_p\,M_p\,\min_i\left(n_i/\nu_i\right)}