不等式

項をタップして両辺から取り除き、数直線を観察しましょう。解は点ではなく範囲として表されます。また、操作の中には大小関係を逆転させるものがあります。

足しても引いても、不等号の向きは変わらない a<b  ⟺  a+c<b+ca<b\iff a+c<b+c
正の数をかけても、不等号の向きは変わらない k>0:a<b  ⟺  ka<kbk>0:\quad a<b\iff ka<kb
負の数をかけると、不等号の向きが逆になる k<0:a<b  ⟺  ka>kbk<0:\quad a<b\iff ka>kb
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レッスン

理論 — 不等式741語

不等式を解くということは、条件を満たす値の集合を明らかにすることに他なりません。この集合はふたつの要素によって決まります。境界がどこにあるかということと、境界となる点自身が集合に含まれるかどうかです。

各記号の意味

<
狭義の関係です。境界は除外され、解集合のその端は開いています。
≤
広義の関係です。境界が含まれるため、解集合のその端は閉じています。
sup
上限。集合内のどの要素もそれを超えることのない、最小の値です。上に有界な集合であれば、集合自身がその値を含んでいるかどうかにかかわらず必ず存在します。
前提
境界とは両辺が完全に等しくなる場所である、という前提です。だからこそ不等式を解く際には、方程式を解くのと同じ計算を用います。関係自体が計算を行っているわけではありません。関係が担っているのは、どちら側を選ぶかという決定と、境界を含めるかどうかの判断なのです。
成り立たない場合
等号を含めるかどうかの選択は、単なる要素の所属よりもはるかに重大な事実を決定づけます。最大値がそもそも存在するかどうかです。x ≤ 5 の最大の解は 5 であり、具体的な数として誰かに手渡すことができます。ところが x < 5 には最大の解が存在しません。5 未満のどんな値を候補に挙げても、その数と 5 の中間の値が、さらに大きな解として集合内に必ず見つかります。これが永遠に続くのです。集合の最小の上界が 5 であることに変わりはありません。単に、集合自身がそれを含んでいないだけなのです。同じ最適化問題でも、≤ なら答えを出せるのに、狭義の制約下では解を持たなくなる理由はここにあります。学校の演習では句読点のようにしか見えなかった記号の違いが、いざ最大化を論じる段になると、全体の構造を根底から支える決定的な意味を持つようになるのです。

全プロセスの詳細解説

  1. 予算20未満で5に加えて1キロメートルあたり2かかる配達 7 ステップ

    配達料金は5、それに加えてキロメートルごとに2かかります。予算は20未満です。どこまで遠くまで行けるでしょうか。また、もし料金体系が割引として提示されていたら、数式はどう変化するでしょうか。

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    1. ぴったり20になる距離を求めているわけではないので、方程式ではなく不等式として書き表します。

      5+2x<205 + 2x < 20
    2. 両辺から5を引きます。足す数の符号が何であれ、足し算と引き算が不等号の向きに影響を与えることはありません。

      2x<152x < 15
    3. 2で割ります。正の数なので不等号の向きはそのままです。これで、上端が開いた領域として答えが求まりました。

      x<7.5x < 7.5
    4. 7.5キロメートル未満です。予算は厳密に20未満なので、端点は含まれません。距離がちょうど7.5のとき、料金はぴったり20になります。たとえわずかであっても、言葉の定義から言えば予算オーバーになるからです。

      5+2(7.5)=20  ≮  205 + 2(7.5) = 20 \;\not<\; 20
    5. 今度は割引のケースを考えてみましょう。20のクレジットからキロメートルごとに2が差し引かれ、残高を5より大きく保つ必要があるとします。

      20−2x>520 - 2x > 5
    6. −2で割ることで不等号の向きが反転し、先ほどと同じ領域が答えになります。当然です。全く同じ道のりを逆の視点から説明しているだけですから。もし反転を忘れると x > 7.5 となり、予算に収まるはずの範囲ではなく、予算オーバーとなる側の範囲が出てきてしまいます。

      −2x>−15  ⇒  x<7.5-2x > -15 \;\Rightarrow\; x < 7.5
    7. そしてここから先、計算はもう助けにはなりません。どちらの式からも x < 7.5 が導かれますが、7.5自体が予算内に収まるかどうかは式からは決まりません。「20未満」が19.99を意味するのか、それとも20を含むのかは契約の問題であり、不等式の問題ではないのです。代数の計算では確かめられない仕事を、この厳密な不等号が担っています。

      x<7.5vsx≤7.5x < 7.5 \quad\text{vs}\quad x \leq 7.5

    解答

    7.5キロメートル未満であり、7.5自体は除外されます。これを割引として書き表した場合、同じ道のりでも−2での割り算、つまり不等号の反転が必要になります。それを忘れると、予算外となる側の領域が導かれてしまいます。

  2. x が残っていない不等式 6 ステップ

    このプリセットは 2x + 5 ≥ 2x + 5 です。これを解いたうえで、x を失った不等式は答えを出しそこねたのか、それとも非常に大きな答えを出したのかを判断してください。

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    1. 両辺から 2x を引きます。同じ量を両辺に足しても関係は保たれます。その量が何であってもです。ですからこの操作は x を含んでいても安全であり、x を掛ける操作とはまさにそこが違います。

      2x+5  ≥  2x+5∣ − 2x2x + 5 \;\ge\; 2x + 5 \qquad \Big|\ -\,2x
    2. 残るのは 5 ≥ 5 です。両辺とも x の係数が 0 になったので、孤立させるものも、割るものもありません。

      0⋅x+5  ≥  50\cdot x + 5 \;\ge\; 5
    3. 境界の公式は同じ行き詰まりを計算の形で示します。ax + b ≥ cx + d を解くと x = (d − b)/(a − c) となり、ここでは 0 ÷ 0 です。パネルの境界の行にダッシュが出るのは、表示すべき境界が存在しないからです。

      x=d−ba−c=5−52−2=00x = \frac{d-b}{a-c} = \frac{5-5}{2-2} = \frac{0}{0}
    4. 5 ≥ 5 は真であり、しかも x に触れずに真です。したがって元の不等式はすべての実数で成り立ち、答えの行はそのとおりに表示します。

      5≥5 is true and holds no x  ⟹  every x is a solution5 \ge 5 \ \text{is true and holds no } x \;\Longrightarrow\; \text{every } x \ \text{is a solution}
    5. 関係を厳密にすると 5 > 5 は偽になり、当てはまる数はありません。かわりに右辺の定数を 5.001 に動かすと、主張は 0 ≥ 0.001 となってこれも偽です。四つの数はほとんど同じなのに、解集合は数直線全体から空になります。

      2x+5>2x+5⇒5>5 false⇒∅;2x+5≥2x+5.001⇒0≥0.001 false⇒∅2x+5 > 2x+5 \Rightarrow 5 > 5 \ \text{false} \Rightarrow \varnothing; \qquad 2x+5 \ge 2x+5.001 \Rightarrow 0 \ge 0.001 \ \text{false} \Rightarrow \varnothing
    6. この飛躍は不連続に見えますが、そうではありません。右辺を 5.001 に固定したまま、二つの x の係数を一致させるのではなく ε だけずらしてみましょう。境界は 0.001/ε に来ます。ε = 0.1 なら答えは x ≥ 0.01、ε = 0.001 なら x ≥ 1、ε = 0.0001 なら x ≥ 10 です。ε が閉じるにつれて半直線は無限遠へ退いていきます。これが空集合の到来をスローモーションで見たものです。

      a−c=ε, d−b=0.001:x≥0.001ε:ε=0.1⇒x≥0.01,0.001⇒x≥1,0.0001⇒x≥10a-c = \varepsilon,\ d-b = 0.001: \quad x \ge \frac{0.001}{\varepsilon}: \quad \varepsilon = 0.1 \Rightarrow x \ge 0.01, \quad 0.001 \Rightarrow x \ge 1, \quad 0.0001 \Rightarrow x \ge 10

    解答

    すべての x です。空の答えはこの反対ではなく双子です。二つの x の係数が一致すると x の項が消え、二つの定数だけで決着します。ですから主張は、真であってすべての数が解になるか、偽であって解が一つもないかのどちらかです。どちらの場合も境界は存在せず、だからこそ境界の行は両方とも空欄になり、読む価値があるのは答えの行だけになります。他のどのプリセットでも一点しか動かさない「厳密かどうか」の選択が、このプリセットでは実数直線の全体を動かすのです。

    a≠c: x≷d−ba−c;a=c: the constants alone decide, and the answer is R or ∅a \neq c: \ x \gtrless \frac{d-b}{a-c}; \qquad a = c: \ \text{the constants alone decide, and the answer is } \mathbb{R} \ \text{or} \ \varnothing
  3. 両辺に x があり、不等号の向きが変わる場合 4 ステップ

    3 − 2x ≥ 7 + 2x を解きましょう。

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    1. 両辺から 2x を引いて、x の項を一方の辺にまとめます。

      3−2x≥7+2x ⇒ 3−4x≥73-2x\ge7+2x\ \Rightarrow\ 3-4x\ge7
    2. 両辺から 3 を引きます。

      −4x≥4-4x\ge4
    3. 両辺を −4 で割ります。負の数で割ると不等号の向きが逆になり、≥ は ≤ に変わります。

      x≤−1x\le-1
    4. 求めた範囲の数を代入して確かめましょう。x = −2 のとき、左辺は 7、右辺は 3 となり、7 ≥ 3 は成り立ちます。

      x=−2:7≥3 ✓x=-2:\quad7\ge3\ \checkmark

    解答

    x ≤ −1。もとの不等号が ≥ なので、−1 も含みます。

    x≤−1x\le-1
  4. 二つの不等式を同時に解く 4 ステップ

    −3 < 2x + 1 ≤ 7 を解きましょう。これを満たす整数はどれですか。

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    1. 左辺・中央・右辺に同じ操作をします。それぞれから 1 を引きましょう。

      −3<2x+1≤7  ∣  −1-3<2x+1\le7\;\Big|\;-1
    2. 各辺を 2 で割ります。正の数なので、どちらの不等号も向きは変わりません。

      −4<2x≤6  ∣  ÷2-4<2x\le6\;\Big|\;\div2
    3. 得られた不等式は、x が −2 より大きく、かつ 3 以下であることを表します。

      −2<x≤3-2<x\le3
    4. −2 は含まず、3 は含むので、当てはまる整数は −1、0、1、2、3 です。

      x∈{−1, 0, 1, 2, 3}x\in\{-1,\ 0,\ 1,\ 2,\ 3\}

    解答

    −2 < x ≤ 3。数直線では、−2 に白丸、3 に黒丸をつけ、その間を塗ります。

    −2<x≤3-2<x\le3

補充問題(答えのみ)

  1. 4x − 5 > 11 を解きましょう。

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    x > 4。

    4x>16 ⇒ x>44x>16\ \Rightarrow\ x>4
  2. 2 − 3x ≤ 8 を解きましょう。

    答えを表示

    x ≥ −2。−3 で割ると、≤ の向きが逆になります。

    −3x≤6 ⇒ x≥−2-3x\le6\ \Rightarrow\ x\ge-2
  3. 5(x − 1) < 2x + 4 を解きましょう。

    答えを表示

    x < 3。

    5x−5<2x+4 ⇒ x<35x-5<2x+4\ \Rightarrow\ x<3
  4. −1 ≤ (x − 3)/2 < 2 を解きましょう。

    答えを表示

    1 ≤ x < 7。各辺を 2 倍してから、それぞれに 3 を足します。

    −2≤x−3<4 ⇒ 1≤x<7-2\le x-3<4\ \Rightarrow\ 1\le x<7
  5. 3n + 4 < 25 を満たす最大の整数 n はいくつですか。

    答えを表示

    6。不等式を解くと n < 7 となり、7 は含まれません。

    3n<21 ⇒ n<7,n=63n<21\ \Rightarrow\ n<7,\quad n=6

向きを変える一つの操作、その理由はすでにご存知のはず

方程式でできることは、ここでもすべて同じように可能です。両辺に何かを足す、引く、掛ける、割る。どれも問題なく行えますし、元に戻すこともできます。これらの操作によって、式を満たす数が変わってしまうことはありません。ただ一つの例外として、負の数を掛けると大小関係がひっくり返ります。これは数直線を思い浮かべれば明らかです。−5は−3より小さいのに、5は3より大きい。符号の反転はゼロを軸にして直線を折り返すことであり、折り返せば当然、左右は入れ替わります。関係の反転を押して、頭の中で考える手間を省いてみてください。x > −4 ではなく、直線の残り半分である x < −4 が得られます。

答えは領域、境界点をどうするかは一つの決断

方程式には解が一つあります。しかし不等式には解の集合があるため、それを解くということは境界と方向の二つを見つけることになります。境界とは2つの式が完全に等しくなる場所であり、だからこそ方程式と同じ計算が使えるのです。そして、その一点が解に含まれるかどうかは不等号が決めます。境界点を含むを押してみてください。−4x ≥ 12 は x ≤ −3 となり、x = −3 のとき両辺は12になります。12 ≥ 12 は正しいので、−3は含まれます。≥ を > に変えると、他の何も変わらないまま点が白丸になります。たった一点、それこそが2つの記号を分ける唯一の違いです。

使えない操作

xを掛けるを押してみてください。ツールはそれを実行しません。負の数を掛ければ大小関係は逆転し、正の数であればそのままです。そして x こそが、あなたがこれから見つけようとしている未知の数に他なりません。一つに定まった答えを返すことは不可能なのです。x/(x−2) > 1 が、両辺に掛けて分母を払うという方法では解けない理由はここにあります。それをやってしまうと、2の片側では正しく、もう片側では間違っているという答えに行き着いてしまいます。方程式であれば、この操作も許されます。未知数を掛けたことで余計な解が生じたとしても、代入して確かめれば見つけ出して捨てられるからです。しかし不等式では、同じように確認することはできません。答えが、一つずつ試せる短い候補のリストではなく、一つの領域として示されるためです。

学習の道すじ

xについて解く:マイナス記号からの積み上げ

参考文献 (1)