負の数

2つの数と計算を選んで、数直線上の動きを観察してみてください。ここには、無条件に信じなければならないルールなど一つもありません。

負の数を引く a−(−b)=a+ba-(-b)=a+b
乗法・除法の符号 (−a)(−b)=ab,(−a) b=−ab(−a)÷(−b)=ab,(−a)÷b=−ab\begin{gathered}(-a)(-b)=ab,\quad(-a)\,b=-ab\\(-a)\div(-b)=\tfrac{a}{b},\quad(-a)\div b=-\tfrac{a}{b}\end{gathered}
負号をつけると大小関係が逆になる a<b  ⟺  −a>−ba<b\iff-a>-b
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レッスン

理論 — 負の数716語

負の数とは、正の数の加法の逆元です。すなわち、−aとはaに足して0になる唯一の数を指します。負の数に関するその他の性質はすべて、この一文と通常の計算規則のみから導き出せます。

各記号の意味

a
正か負かを問わず、任意の数。定義はその符号を問わないため、−(−3) = 3の計算に特別な規則は要りません。
−a
aの加法の逆元。単に「aの前にマイナスを書いたもの」ではなく、「aに何を足せば無になるか」という問いへの答えです。
0
加法単位元であり、議論全体の軸となる存在です。どんな数に足しても、元の数を変化させない唯一の数でもあります。

公式の導き方

  1. 正の数だけでなく負の数でも、分配法則a(b + c) = ab + acが成り立つと仮定します。ここでの前提はこれだけですが、これは重大な選択です。数を拡張したからといって、正の数がすでに満たしている規則を破るわけにはいかないと要求しているからです。
  2. これを(−1)(1 + (−1))に適用します。括弧の中は0であり、0には何を掛けても0になるため、式全体は0となります。
  3. 今度は同じ式を別の形で展開します。(−1)(1) + (−1)(−1)となり、これは−1 + (−1)(−1)のことです。
  4. どちらの解釈でも結果は一致しなければならないため、−1 + (−1)(−1) = 0となります。−1に足して0になる数はただ一つ、+1です。これは誰かが勝手に決めたことではなく、分配法則を成り立たせる値がこれ以外に存在しないのです。
前提
負の数の計算も正の数と同じ分配法則に従う、ということです。これを放棄すれば、(−1)(−1) = −1と自由に定義しても構いません。しかしその場合、(−3)((−3) + 1)は(−3)(−2) = −6となる一方で、(−3)(−3) + (−3)(1)は−9 + (−3) = −12となり、一つの式に対する二つの計算結果が一致しなくなります。これが分配法則を手放す代償であり、符号の規則が単なる取り決めではない理由です。

全プロセスの詳細解説

  1. −18 °Cから−4 °Cに温まる冷凍庫の温度上昇 7 ステップ

    冷凍庫の温度が −18 °C です。そこから −4 °C に上がりました。温度は何度上昇したでしょうか。また、よくある二つの間違いとはどのようなものでしょうか。

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    1. ほとんどの人は 14 と答えて正解します。ですからここで興味深いのは、間違えた場合にどのような筋道を辿るのかということです。まずは、温度の変化を通常の引き算の式で書いてみましょう。新しい値から古い値を引きます。

      (−4)−(−18)(-4) - (-18)
    2. −18 を引くということは、その反数を足すのと同じです。つまり、式は −4 + 18 となります。

      (−4)+18=14(-4) + 18 = 14
    3. 14 度。よくある間違いは 22 です。これは 18 + 4 のように、両方がゼロからの距離であるかのように絶対値を足してしまうことで起こります。数直線を思い浮かべれば、−18 と −4 がゼロから見て同じ側にあることが一目でわかるため、そのようには考えにくいはずです。

      18+4=2218 + 4 = 22
    4. もう一つのよくある間違いは −22 です。これは、二つの負の符号をどちらも「左へ進め」という指示として扱ってしまった結果です。数の符号と計算の操作を混同してしまっているのです。これらは明確に分けて考える必要があります。

      −(18+4)=−22-(18 + 4) = -22
    5. 今度は逆方向で同じ問題を考えてみましょう。−4 から −18 に下がる場合の温度変化は −14 ですが、距離は変わらず 14 のままです。距離と変化は異なる量であり、符号を持つのは変化のほうだけなのです。

      (−18)−(−4)=−14,∣−18−(−4)∣=14(-18) - (-4) = -14, \qquad |{-18} - ({-4})| = 14
    6. この違いは、掛け算をした瞬間に重要になってきます。温度変化の −14 を二倍にすると −28。反転は一度だけで、温度はさらに下がります。半分にすると −7 になりますが、これも反転は一度だけです。負の符号は温度変化のほうについており、掛ける数にはついていないからです。

      2×(−14)=−282 \times (-14) = -28
    7. そしてここで、ツールの限界が訪れます。物理的に考えて、−18 °C を二倍にしても −36 °C にはなりません。摂氏におけるゼロ度は便宜上の基準点であり、熱が全くない状態を意味するわけではないからです。温度そのものに数を掛けることには意味がありませんが、温度の変化に数を掛けることは問題ありません。計算式自体は、あなたが今どちらを扱っているのかを教えてはくれないのです。

      2×(−18 ∘C)≠−36 ∘C2 \times (-18\,^\circ\mathrm{C}) \neq -36\,^\circ\mathrm{C}

    解答

    14 °C の上昇。 式にすると −4 − (−18) = −4 + 18 = 14 となり、すべてのステップはツールに描かれる動きと同じです。22 と −22 というよくある二つの間違いは、いずれも数の符号と計算の方向とを混同することから生じます。

  2. −3 から 5 へ、そして 8 離れた二つの数 6 ステップ

    ダイバーは水面下 3 m、カモメは水面上 5 m にいます。二者の距離を求め、そのうえでその距離だけでカモメを元の位置に戻せるかどうかを判断してください。

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    1. まず捨てるべき直感は、大きさを引くやり方です。5 と 3 だから 2、というものです。

      ∣5∣−∣−3∣=5−3=2|5| - |-3| = 5 - 3 = 2
    2. 引き算そのものを見ます。変化は −8 で、これが結果のカードに出る値です。距離はその大きさ、すなわち 8 です。

      (−3)−5=(−3)+(−5)=−8,∣(−3)−5∣=8(-3) - 5 = (-3) + (-5) = -8, \qquad \bigl|(-3) - 5\bigr| = 8
    3. 8 になるのは、この移動がゼロをまたぐからです。二つの深さは打ち消し合わずに足し合わさります。二つの数がゼロを挟んで反対側にあるときは、距離は必ず大きさの和になります。

      x<0<y  ⟹  ∣x−y∣=∣x∣+∣y∣=3+5=8x < 0 < y \;\Longrightarrow\; |x-y| = |x| + |y| = 3 + 5 = 8
    4. 同じ側にあれば引き算になります。冷凍庫が −18 から −4 に温まるとき、変化は 18 − 4 の 14 です。一つの規則に二つの顔があり、どちらの顔が出るかを決めているのは、二つの数の間にゼロがあるかどうかです。

      x,y<0  ⟹  ∣x−y∣=∣∣x∣−∣y∣∣:∣−18−(−4)∣=18−4=14x, y < 0 \;\Longrightarrow\; |x-y| = \bigl||x| - |y|\bigr|: \quad \bigl|-18 - (-4)\bigr| = 18 - 4 = 14
    5. ここで距離のカードを逆向きに読んでみましょう。表示は 8 で、8 以上のことは何も言っていません。−3 から 8 離れた数は二つあり、それを求める方程式の解が二つになるのは、大きさを取った時点で符号が捨てられたからです。

      ∣x−(−3)∣=8  ⟹  x+3=±8  ⟹  x=5,  −11\bigl|x - (-3)\bigr| = 8 \;\Longrightarrow\; x + 3 = \pm 8 \;\Longrightarrow\; x = 5,\; -11
    6. 二つの答えは、測った基準の点を必ず挟んでいます。その平均が、ちょうどその点になるのです。どの数の組にも距離は一つ、そしてどの距離の背後にも数は二つあります。

      5+(−11)2=−3\frac{5 + (-11)}{2} = -3

    解答

    8 m です。 ダイバーとカモメはゼロを挟んで反対側にいるので、二つの深さは打ち消し合わずに足し合わさります。同じ 8 を逆向きに読むと、それはカモメを名指ししません。−11 は −3 から 5 とまったく同じ距離にあり、距離のカードには両者の区別がつきません。大きさを取った時点で、符号がそこから抜け落ちているからです。

    ∣x−a∣=d  ⟹  x=a±d(d>0)|x - a| = d \;\Longrightarrow\; x = a \pm d \qquad (d > 0)
  3. 負の数の乗法と除法 3 ステップ

    (−6) × (−4) と (−24) ÷ 3 を計算しましょう。

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    1. 符号はいったん置いて、まず絶対値だけで計算します。6 × 4 = 24。

      6×4=246\times4=24
    2. どちらの因数も負です。負の符号が一つあるたびに、答えの位置は数直線の原点をはさんで反対側へ移ります。二度移れば、正の側に戻ります。

      (−6)×(−4)=+24(-6)\times(-4)=+24
    3. ここでは負の数が一つだけなので、反転も一度です。24 ÷ 3 = 8 の符号を変えると −8 になります。3 で割ることは ⅓ をかけることと同じなので、除法でも同じ符号の規則が成り立ちます。

      (−24)÷3=−8(-24)\div3=-8

    解答

    24 と −8。 負の符号の個数を数えましょう。どの数も零でなければ、負の符号が偶数個なら答えは正、奇数個なら負になります。

    (−6)×(−4)=24,(−24)÷3=−8(-6)\times(-4)=24,\qquad(-24)\div3=-8
  4. −3² と (−3)² は異なる 3 ステップ

    −3² と (−3)² を計算しましょう。続いて、2 − 3 × (−4) も計算しましょう。

    解答を表示
    1. 累乗は、その前についている負号より先に計算します。したがって、−3² は −(3²) を表し、値は −9 です。

      −32=−(32)=−9-3^{2}=-\left(3^{2}\right)=-9
    2. 括弧があると、−3 全体を二乗します。負の数どうしをかけるので、答えは正になります。

      (−3)2=(−3)×(−3)=9(-3)^{2}=(-3)\times(-3)=9
    3. 乗法は減法より先に計算します。3 × (−4) = −12 で、−12 を引くことは 12 を足すことと同じです。

      2−3×(−4)=2+12=142-3\times(-4)=2+12=14

    解答

    −9、9、14。 最初の二つの式は、括弧の有無だけで値が変わります。

    −32=−9,(−3)2=92−3×(−4)=14\begin{gathered}-3^{2}=-9,\qquad(-3)^{2}=9\\2-3\times(-4)=14\end{gathered}

補充問題(答えのみ)

  1. −7 + 12 と −7 − 12 を計算しましょう。

    答えを表示

    5 と −19。

    −7+12=5,−7−12=−19-7+12=5,\qquad-7-12=-19
  2. 6 − (−9) を計算しましょう。

    答えを表示

    15。−9 を引くことは、9 を足すことと同じです。

    6−(−9)=6+9=156-(-9)=6+9=15
  3. (−5) × (−8) と (−36) ÷ (−4) を計算しましょう。

    答えを表示

    40 と 9。どちらも負の符号が二つあるので、答えは正になります。

    (−5)×(−8)=40,(−36)÷(−4)=9(-5)\times(-8)=40,\qquad(-36)\div(-4)=9
  4. −2 × 3 − (−4) を計算しましょう。

    答えを表示

    −2。先に乗法を計算すると、−6 − (−4) = −6 + 4 となります。

    −2×3−(−4)=−6+4=−2-2\times3-(-4)=-6+4=-2
  5. 数直線上で、−9 と 3 の間の距離はいくつですか。

    答えを表示

    12。|−9 − 3| = |−12| から求められます。

    ∣−9−3∣=∣−12∣=12|-9-3|=|-12|=12

引き算は別の計算ではなかった

5 − (−3) を押してみてください。画面上で何かが動く前に、ツールはこの式を 5 + (3) と書き換えます。引き算の本来の姿がこれだからです。どんな a と b についても、a − b は a + (−b) を意味します。相手が負の数だからといって特別扱いはしません。b が負のときに変わるのは矢印の向きだけであり、矢印そのものは同じです。したがって「二つのマイナスでプラスになる」というのは、引き算をきちんと書き下し、−3 の反対が 3 であると気づいたときに得られる結果なのです。二番目の数を正負どちらでも好きな値に設定してみましょう。数直線の上の書き換えられた式は、常に真であり続けます。

負の数を掛けると数直線は反転する

今度は (−3) × (−4) を押し、三つの独立した動きを見てみましょう。12 への引き伸ばし、ゼロを中心とした −12 への反転、そして 12 へ戻る二回目の反転です。負の因数はそれぞれ一回ずつの反転をもたらし、ツールがその回数を数えて見せてくれます。二回の反転によって、直線上のすべての点は元の場所に戻ります。だからこそ答えは正になるのです。これにより、負の数とは何であるか、つまり「方向」であることもわかります。−1 を掛けても何も縮小しません。直線の向きを反転させるだけです。では、同じ二つの数で ÷ を押してみてください。反転の回数は変わりません。−4 で割ることは −¼ を掛けることと同じであり、−¼ も同様に一つのマイナスを持っているからです。別々に教わった二つの符号の規則は、たった一つの規則なのです。

符号の反転は大小関係を逆にする、それが不等号の向きが変わる理由のすべて

大小関係を示す −5 < −3 の行を見て、両辺の符号を変え 5 > 3 としてみてください。大小関係が逆転しました。そうなるのが必然です。符号の反転とは先ほど見た反転操作のことなので、直線を反転させれば左右が入れ替わるからです。異なる二つの数であれば、どんなペアでも同じ現象が起きます。好きな二つを選んで確かめてみてください。両辺に負の数を掛けると不等号の向きが変わるという性質は、ここから来ています。多くの人が、数年後に説明のない例外として出会うあの規則のことです。点ではなく比較に対して、全く同じ反転という操作を適用したに過ぎません。

学習の道すじ

xについて解く:マイナス記号からの積み上げ

参考文献 (1)