運動量と衝突の実験室

1次元の台車衝突をシミュレートし、運動量保存則、運動エネルギーの変化、反発係数を探求します。

衝突において運動量は常に保存される m1u1+m2u2=m1v1+m2v2m_1u_1+m_2u_2=m_1v_1+m_2v_2
反発係数:e = 1 は弾性衝突、e = 0 は合体 v2−v1=e (u1−u2),0≤e≤1v_2-v_1=e\,(u_1-u_2),\qquad 0\le e\le1
力積:運動量の変化量 J=Fˉ Δt=m(v−u)=ΔpJ=\bar F\,\Delta t=m(v-u)=\Delta p
インタラクティブシミュレーションを読み込んでいます...

レッスン

理論 — 運動量と衝突の実験室

物体の運動量は、質量と速度の積 p = mv で表され、一次元ではその符号が進む向きを示します。衝突の最中、二台の台車は互いに力を及ぼし合うだけで外からは力を受けません。したがって、運動エネルギーがどのように変化しようと、全体の運動量は衝突の前後で保たれます。

各記号の意味

p
運動量。mv で表され、単位は kg·m/s です。右向きを正としているため、左へ動く台車の運動量は負になります。
u
衝突前の速度。左側の台車1が u₁、右側の台車2が u₂ です。二台が衝突するのは u₁ > u₂ のときだけです。
v
衝突後の速度。
e
反発係数。二台が遠ざかる速さを近づく速さで割った比です。1 なら相対運動の運動エネルギーがすべて保たれ、0 なら二台はくっついて一体になります。
J
力積。一方の台車の運動量の変化量で、単位は N·s です。接触している時間 Δt の間、台車に加わった平均の力に Δt を掛けた値に等しくなります。

公式の導き方

  1. 力積は運動量の変化に等しい。 接触時間をとおしてニュートンの第2法則を足し合わせた関係です。加わった力と作用時間の積が、そのまま増減した運動量になります。
    J=∫F dt=Fˉ Δt=m(v−u)=ΔpJ=\int F\,dt=\bar F\,\Delta t=m(v-u)=\Delta p
  2. ニュートンの第3法則により、二つの力積は大きさが等しく逆向きになります。 それぞれの台車が受ける力は作用・反作用の法則で同じ大きさ、接触時間も共通です。したがって、台車2が得た運動量は、そのまま台車1が失った運動量に一致します。
    m2(v2−u2)=−m1(v1−u1)⇒ m1u1+m2u2=m1v1+m2v2\begin{gathered}m_2(v_2-u_2)=-m_1(v_1-u_1)\\ \Rightarrow\ m_1u_1+m_2u_2=m_1v_1+m_2v_2\end{gathered}
  3. 未知数が二つあるのに対し、式はまだ一つしかありません。そこに加わるのが反発係数です。 衝突後に離れる速さと衝突前に近づく速さを比べる式であり、衝突の性質が数式に現れるのはここだけです。
    v2−v1=e (u1−u2)v_2-v_1=e\,(u_1-u_2)
  4. この二つの式を連立させて解きます。 計算結果の表に並ぶ数値は、こうして導かれた公式から求めたものです。
    v1=(m1−em2)u1+m2(1+e)u2m1+m2v2=(m2−em1)u2+m1(1+e)u1m1+m2\begin{gathered}v_1=\frac{(m_1-em_2)u_1+m_2(1+e)u_2}{m_1+m_2}\\ v_2=\frac{(m_2-em_1)u_2+m_1(1+e)u_1}{m_1+m_2}\end{gathered}
  5. 失われる運動エネルギーは、相対速度だけで決まります。 e = 1 では失われるエネルギーはゼロ、二台が合体する e = 0 で最大になります。同じ質量、同じ相対速度で衝突するなら、系全体がどんな速度で移動していようと同じエネルギーが失われます。
    ΔK=12 m1m2m1+m2 (1−e2) (u1−u2)2\Delta K=\tfrac12\,\frac{m_1m_2}{m_1+m_2}\,(1-e^{2})\,(u_1-u_2)^{2}
前提
台車は一直線上を動き、接触中は互い以外に触れないものとしているため、摩擦やレールから力積が加わることはありません。反発係数は二台の組み合わせで決まる一つの数値として扱いますが、現実の素材では衝撃が激しいほど低下します。なお、アニメーションの壁は二台の系から外れた存在です。壁で跳ね返ると片方の台車の向きが反転し、全体の運動量は変化しますが、運動エネルギー自体はそのまま保たれます。

どちらの台車も受ける力積の大きさは同じ

質量がどうであれ、二台の台車が受ける力積は大きさが等しく、向きは正反対です。相手を押す力と押し返される力は完全に等しく(ニュートンの第3法則)、接触時間も同じ。つまり運動量保存則とは、この二つの力積が互いに相殺し合うことにほかなりません。軽い物体が重い物体で跳ね返るを押してみてください。8 kg の台車に加わる力積は 5.3333 N·s であり、1 kg の台車の運動量も逆向きにまったく同じ量だけ変化して、3 から −2.3333 kg·m/s になります。軽い台車は質量が 8分の1 しかないため、速度の変化量は 8倍 にも達します。フロントガラスにぶつかるハエは、ガラスがハエを押すのとまったく同じ強さでガラスを押し返しています。結果があまりにも違って見えるのは、それぞれの力が動かす質量の桁が違うからです。

跳ね返りを決めるただ一つの数

このツールの要となるダイヤルが、反発係数 e です。衝突後に遠ざかる速さを、衝突前に近づく速さで割った値です。e = 1 は現実のボールが決して達しない完全な跳ね返り(よく弾むスーパーボールでも0.9程度)で、e = 0 では濡れた粘土のように台車同士がくっついてしまいます。家でも手軽に測れます。ボールを落とし、跳ね上がった高さを落とした高さで割ると、その値が e² になります。落とした高さの約64%まで跳ね返るバスケットボールなら、e ≈ 0.8 です。

ボイジャー2号は木星とビリヤードをした

探査機のスイングバイ(重力アシスト)は、何一つ接触しないまま、まさにこの法則に従います。惑星の基準系では接近通過は完全弾性衝突(e = 1)で、探査機は来たときと同じ速さで、向きだけ変えて去ります。ところが太陽の基準系では、惑星の公転速度のほぼ2倍を得ることができます。こうしてボイジャー2号は木星付近で約 10 km/s を稼ぎました。これは惑星の公転運動から借りたもので、その代わり惑星はごくわずかに減速したのです。

衝突 — 運動量は必ず残り、エネルギーはしばしば残らない

いま扱っているのはどの衝突か

ここに並ぶ衝突はどれも運動量を保存します。m₁u₁ + m₂u₂ は前後で必ず同じです。型を分けるのは運動エネルギーがどれだけ残るかで、それを決めるのはただ一つの数 — 反発係数 e、すなわち離れる速さを近づく速さで割った値です。まず e を決め、次に質量比が誰がどこへ行くかを教えてくれます。

完全弾性 (e = 1) — 運動エネルギーがそのまま残る e = 1, K′ = K
完全非弾性 (e = 0) — くっついて、失う量は最大 e = 0, v₁ = v₂
部分弾性 (0 < e < 1) — 現実はこの中間 e = (v₂ − v₁)/(u₁ − u₂)
重いものが軽いものを打つ — 小さいほうが撃ち出される m₁ ≫ m₂ ⇒ v₂ → 2u₁
軽いものが重いものを打つ — まっすぐ跳ね返る m₁ ≪ m₂ ⇒ v₁ → −u₁

01

完全弾性 (e = 1) — 運動エネルギーがそのまま残る

わかっていること: 永久変形も発熱も起きず、台車は近づいたのと同じ速さで離れる。運動量も運動エネルギーもどちらも保存される。

反発係数: e = 1, K′ = K

計算例: +3 m/s の 2 kg と −3 m/s の 2 kg が e = 1 で衝突 → −3 と +3 m/s で離れる。速度が入れ替わるだけで、18 J はすべて残る。

この型を開く: ビリヤード球の衝突
完全弾性 (e = 1) — 運動エネルギーがそのまま残る. 等質量で e = 1:台車は速度を交換し、1 ジュールも失わない。 永久変形も発熱も起きず、台車は近づいたのと同じ速さで離れる。運動量も運動エネルギーもどちらも保存される。
等質量で e = 1:台車は速度を交換し、1 ジュールも失わない。

02

完全非弾性 (e = 0) — くっついて、失う量は最大

わかっていること: 台車は一つの共通の速度で進むので、離れる速さは 0。運動量はそれでも合うが、運動エネルギーの損失は起こりうる最大になる。

反発係数: e = 0, v₁ = v₂

計算例: 3 m/s の 2 kg が静止した 3 kg に衝突、e = 0 → 二つとも 1.2 m/s で進み、はじめの 9 J のうち 5.4 J が消える。損失 60 %。

この型を開く: 非弾性の合体衝突
完全非弾性 (e = 0) — くっついて、失う量は最大. e = 0 では台車は一緒に動き出し、足りないエネルギーは損傷に変わっている。 台車は一つの共通の速度で進むので、離れる速さは 0。運動量はそれでも合うが、運動エネルギーの損失は起こりうる最大になる。
e = 0 では台車は一緒に動き出し、足りないエネルギーは損傷に変わっている。

03

部分弾性 (0 < e < 1) — 現実はこの中間

わかっていること: 台車は離れるが、近づいたときより遅い。e はその比で、e = (v₂ − v₁)/(u₁ − u₂)。

反発係数: e = (v₂ − v₁)/(u₁ − u₂)

計算例: +4 m/s の 3 kg と −2 m/s の 2 kg が e = 0.5 で衝突 → v₁ = +0.4、v₂ = +3.4 m/s。6 m/s の接近は 3 m/s になって返り、28 J のうち 16.2 J が失われる。

この型を開く: バンパーカーの衝突
部分弾性 (0 < e < 1) — 現実はこの中間. 0 < e < 1 では出会ったときより遅く離れ、その差は熱として出ていく。 台車は離れるが、近づいたときより遅い。e はその比で、e = (v₂ − v₁)/(u₁ − u₂)。
0 < e < 1 では出会ったときより遅く離れ、その差は熱として出ていく。

04

重いものが軽いものを打つ — 小さいほうが撃ち出される

わかっていること: m₁ が m₂ よりずっと大きい弾性衝突。重い台車は衝突をほとんど感じず、軽いほうは飛んできた何よりも速く去る。

反発係数: m₁ ≫ m₂ ⇒ v₂ → 2u₁

計算例: 3 m/s の 8 kg が静止した 1 kg に弾性衝突 → 重い台車は 2.33 m/s に落ちるだけで、軽いほうは上限 2u₁ に近い 5.33 m/s で去る。

この型を開く: 重い物体が軽い物体に衝突
重いものが軽いものを打つ — 小さいほうが撃ち出される. m₁ ≫ m₂ では重い台車はほぼそのまま進み、軽いほうが前へ放り出される。 m₁ が m₂ よりずっと大きい弾性衝突。重い台車は衝突をほとんど感じず、軽いほうは飛んできた何よりも速く去る。
m₁ ≫ m₂ では重い台車はほぼそのまま進み、軽いほうが前へ放り出される。

05

軽いものが重いものを打つ — まっすぐ跳ね返る

わかっていること: m₁ が m₂ よりずっと小さい弾性衝突。飛び込んだ台車は向きを変え、重いほうはほとんど動かない。

反発係数: m₁ ≪ m₂ ⇒ v₁ → −u₁

計算例: 3 m/s の 1 kg が静止した 8 kg に弾性衝突 → 軽い台車は −2.33 m/s で跳ね返り、重いほうは 0.67 m/s でゆっくり進む。

この型を開く: 軽い物体が重い物体で跳ね返る
軽いものが重いものを打つ — まっすぐ跳ね返る. m₁ ≪ m₂ では軽い台車がほぼ元の速さで跳ね返り、重いほうはほとんど動かない。 m₁ が m₂ よりずっと小さい弾性衝突。飛び込んだ台車は向きを変え、重いほうはほとんど動かない。
m₁ ≪ m₂ では軽い台車がほぼ元の速さで跳ね返り、重いほうはほとんど動かない。
参考文献 (1)

全プロセスの詳細解説

  1. 3 kgの台車と弾性衝突する2 kgの台車 5 ステップ

    3 m/s で動く 2 kg の台車が、−1 m/s で動く 3 kg の台車と弾性衝突します。 二つの保存則から衝突後の両方の速度を求めてみましょう。さらに、台車が跳ね返らずに合体した場合にはどれだけのエネルギーが失われるかも計算します。

    1. 衝突の種類によらず成立するため、まずは運動量から考える。符号が向きを表すため、2台目の台車の −1 は引き算となる。

      p:m1u1+m2u2=2(3)+3(−1)=3 kg m/sp:\quad m_1u_1+m_2u_2=2(3)+3(-1)=3\ \mathrm{kg\,m/s}
    2. 運動エネルギーが2つ目の制約条件であり、これは衝突が弾性衝突である場合にのみ成立する。投入されるエネルギーは 10.5 J である。

      K:12(2)(3)2+12(3)(−1)2=9+1.5=10.5 JK:\quad \tfrac12(2)(3)^2+\tfrac12(3)(-1)^2=9+1.5=10.5\ \mathrm{J}
    3. 二次式を含む連立方程式をまともに解く必要はありません。弾性衝突では相対速度の向きが反転し、近づいたときと同じ速さで離れていきます。この一次の関係式を用いれば、エネルギー保存則の式をそのまま綺麗に置き換えることができます。

      e=1:v2−v1=e(u1−u2)=4,m1v1+m2v2=3e=1:\quad v_2-v_1=e(u_1-u_2)=4,\qquad m_1v_1+m_2v_2=3
    4. したがって、2つの一次方程式から両方の速度が直接求まる。軽い台車は後方へ跳ね返り、重い台車は前方へ押し出されるが、最終的な速さは軽い台車が到達したときの速さよりも遅くなる。

      ⟹ v1=−1.8 m/s,v2=2.2 m/s\Longrightarrow\ v_1=-1.8\ \mathrm{m/s},\qquad v_2=2.2\ \mathrm{m/s}
    5. 続いて反発係数を 0 にすると、二台は質量で重み付けした平均速度 0.6 m/s で一緒に動き出し、0.9 J の運動エネルギーを持ちます。

      e=0: v=35=0.6 m/s, Kf=12(5)(0.6)2=0.9 J, Ki−KfKi=9.610.5=91.43%e=0:\ v=\frac{3}{5}=0.6\ \mathrm{m/s},\ K_f=\tfrac12(5)(0.6)^2=0.9\ \mathrm{J},\ \frac{K_i-K_f}{K_i}=\frac{9.6}{10.5}=91.43\%

    解答

    計算結果には衝突の前後ともに 3 kg·m/s、そして 10.5 J と表示されます。運動量もエネルギーも保存されている、これこそが「弾性」衝突の意味です。反発係数を 0 に切り替えても運動量は 3 のままですが、衝突後の運動エネルギーは 0.9 J にまで落ち込みます。運動エネルギーの 91.43% が失われ、熱や音、物体の変形へと消えてしまったわけですが、運動量のほうは何食わぬ顔で保たれています。

    e=1: v1=−1.8, v2=2.2 m/s, Kf=Ki;e=0: v=0.6 m/s, ΔKKi=91.43%e=1:\ v_1=-1.8,\ v_2=2.2\ \mathrm{m/s},\ K_f=K_i;\qquad e=0:\ v=0.6\ \mathrm{m/s},\ \frac{\Delta K}{K_i}=91.43\%
  2. 合体する二台の台車 4 ステップ

    右向きに 2.5 m/s で進む 4.0 kg の台車と、左向きに 5.0 m/s で進む 1.0 kg の台車が衝突して合体しました。合体後の速度と、失われた運動エネルギーを求めなさい。

    この問題をツールで開く

    解答を表示
    1. 右向きを正とすると、1.0 kg の台車の速度は −5.0 m/s です。衝突前の全運動量は:

      Pi=4(2.5)+1(−5)=5 kg m/sP_i=4(2{.}5)+1(-5)=5\ \mathrm{kg\,m/s}
    2. 二台は合体して等しい速度で進み、この全運動量をそのまま担います:

      (m1+m2)v=Pi ⇒ v=55=1 m/s(m_1+m_2)v=P_i\ \Rightarrow\ v=\frac{5}{5}=1\ \mathrm{m/s}
    3. 衝突前後の運動エネルギー:

      Ki=12(4)(2.5)2+12(1)(5)2=12.5+12.5=25 J,Kf=12(5)(1)2=2.5 JK_i=\tfrac12(4)(2{.}5)^{2}+\tfrac12(1)(5)^{2}=12{.}5+12{.}5=25\ \mathrm{J},\qquad K_f=\tfrac12(5)(1)^{2}=2{.}5\ \mathrm{J}
    4. その差が失われたエネルギーです。相対速度の公式を用いれば、合体後の速度を求めずとも直接求まります:

      ΔK=25−2.5=22.5 J=12⋅4⋅14+1⋅(2.5+5)2\Delta K=25-2{.}5=22{.}5\ \mathrm{J}=\tfrac12\cdot\frac{4\cdot1}{4+1}\cdot(2{.}5+5)^{2}

    解答

    右向きに 1 m/s。元の 25 J のうち 22.5 J が失われ、損失率は 90% です。軽い台車は重い台車と同じ大きさの運動エネルギーを持って衝突しました。それでも二台が重い台車の向きへ進むのは、進路を決めるのがエネルギーではなく運動量だからです。

    v=1 m/s,ΔK=22.5 J (90%)v=1\ \mathrm{m/s},\qquad \Delta K=22{.}5\ \mathrm{J}\ (90\%)
  3. 反発係数 e = 0.6 の衝突 4 ステップ

    速さ 4.0 m/s で進む 1.5 kg の台車が、静止している 2.5 kg の台車に衝突しました。反発係数は 0.6 です。衝突後のそれぞれの速度と、失われた運動エネルギーを求めなさい。

    この問題をツールで開く

    解答を表示
    1. 運動量保存則:

      1.5(4)+2.5(0)=1.5v1+2.5v2=61{.}5(4)+2{.}5(0)=1{.}5v_1+2{.}5v_2=6
    2. 反発係数の関係:二台は接近時の相対速度 4.0 m/s の 0.6 倍の速さで離れます。

      v2−v1=0.6 (4−0)=2.4v_2-v_1=0{.}6\,(4-0)=2{.}4
    3. 運動量の式に v₂ = v₁ + 2.4 を代入します:

      1.5v1+2.5(v1+2.4)=6 ⇒ 4v1=0 ⇒ v1=0,v2=2.4 m/s1{.}5v_1+2{.}5(v_1+2{.}4)=6\ \Rightarrow\ 4v_1=0\ \Rightarrow\ v_1=0,\quad v_2=2{.}4\ \mathrm{m/s}
    4. 衝突前後の運動エネルギー:

      Ki=12(1.5)(4)2=12 J,Kf=12(2.5)(2.4)2=7.2 J,ΔK=4.8 JK_i=\tfrac12(1{.}5)(4)^{2}=12\ \mathrm{J},\quad K_f=\tfrac12(2{.}5)(2{.}4)^{2}=7{.}2\ \mathrm{J},\quad \Delta K=4{.}8\ \mathrm{J}

    解答

    衝突した台車はその場で静止し、突かれた側の台車が 2.4 m/s で進み出します。失われた運動エネルギーは 4.8 J、全体の 40% です。台車1が停止するのは、ここではちょうど m₁ = e m₂(1.5 = 0.6 × 2.5)が成り立ち、v₁ を求める式の第1項がゼロになるためです。

    v1=0,v2=2.4 m/s,ΔK=4.8 J (40%)v_1=0,\quad v_2=2{.}4\ \mathrm{m/s},\quad \Delta K=4{.}8\ \mathrm{J}\ (40\%)
  4. 衝突の結果から反発係数 e を求める 3 ステップ

    静止している 3.0 kg の台車に、速さ 4.0 m/s の 1.0 kg の台車が衝突し、0.50 m/s で跳ね返りました。3.0 kg の台車が進み出す速さと、反発係数を求めなさい。

    この問題をツールで開く

    解答を表示
    1. 跳ね返ったということは、速度の符号が負になったことを意味します。運動量保存則からもう一方の速度が求まります:

      1(4)+3(0)=1(−0.5)+3v2 ⇒ v2=4.53=1.5 m/s1(4)+3(0)=1(-0{.}5)+3v_2\ \Rightarrow\ v_2=\frac{4{.}5}{3}=1{.}5\ \mathrm{m/s}
    2. 反発係数は、接近時の相対速度に対する離れる相対速度の比です:

      e=v2−v1u1−u2=1.5−(−0.5)4−0=0.5e=\frac{v_2-v_1}{u_1-u_2}=\frac{1{.}5-(-0{.}5)}{4-0}=0{.}5
    3. 運動エネルギーが増加していないことを確かめておきましょう:

      Ki=12(1)(4)2=8 J,Kf=12(1)(0.5)2+12(3)(1.5)2=3.5 JK_i=\tfrac12(1)(4)^{2}=8\ \mathrm{J},\quad K_f=\tfrac12(1)(0{.}5)^{2}+\tfrac12(3)(1{.}5)^{2}=3{.}5\ \mathrm{J}

    解答

    1.5 m/s、そして e = 0.5 です。これらの質量に対して e を 0.5 に設定すると、数値表には問題の出発点だった −0.5 m/s が再現され、4.5 J の損失が示されます。もし測定値の e が 1 を超えたとしたら、運動エネルギーが自発的に増えたことになってしまいます。解放されるバネや火薬でも仕込んでいない限り、その測定は誤りです。

    v2=1.5 m/s,e=0.5v_2=1{.}5\ \mathrm{m/s},\qquad e=0{.}5
  5. 力積と平均の力 4 ステップ

    速さ 3.0 m/s で進む 2.0 kg の台車が静止した 3.0 kg の台車に衝突し、非弾性の合体衝突のように合体します。接触時間は 50 ms です。それぞれの台車が受けた力積と、互いに及ぼし合った平均の力を求めなさい。柔らかいバンパーによって接触時間が 200 ms に延びた場合、何が変わるでしょうか。

    この問題をツールで開く

    解答を表示
    1. 運動量保存則から合体後の速度を求めます:

      v=2(3)+3(0)2+3=1.2 m/sv=\frac{2(3)+3(0)}{2+3}=1{.}2\ \mathrm{m/s}
    2. 力積は各台車の運動量の変化量です:

      J2=3 (1.2−0)=3.6 N s,J1=2 (1.2−3)=−3.6 N sJ_2=3\,(1{.}2-0)=3{.}6\ \mathrm{N\,s},\qquad J_1=2\,(1{.}2-3)=-3{.}6\ \mathrm{N\,s}
    3. 平均の力は、力積を接触時間で割った値です:

      Fˉ=JΔt=3.60.050=72 N\bar F=\frac{J}{\Delta t}=\frac{3{.}6}{0{.}050}=72\ \mathrm{N}
    4. バンパーによって接触時間が変わっても速度は変わらないため、力積は不変です:

      Δt=0.200 s:Fˉ=3.60.200=18 N\Delta t=0{.}200\ \mathrm{s}:\quad \bar F=\frac{3{.}6}{0{.}200}=18\ \mathrm{N}

    解答

    それぞれの台車に互いに逆向きの 3.6 N·s。力は 50 ms の間なら 72 N、200 ms の間なら 18 N です。接触時間を四倍に引き延ばすと受ける力は四分の一に和らぎますが、それぞれの速度も、失われる 5.4 J のエネルギーも変化しません。自動車の衝撃吸収構造やエアバッグの役割もまさにこれです。乗員の運動量の変化そのものは減らせません。変えられるのは、その衝撃を受け止める時間だけなのです。

    J=±3.6 N s,Fˉ=72 N (50 ms),18 N (200 ms)J=\pm3{.}6\ \mathrm{N\,s},\qquad \bar F=72\ \mathrm{N}\ (50\ \mathrm{ms}),\quad 18\ \mathrm{N}\ (200\ \mathrm{ms})
  6. 静止状態からの分裂 3 ステップ

    圧縮されたバネを挟んで、2.0 kg の台車と 3.0 kg の台車が静止しています。手を離すと、3.0 kg の台車は右向きに 2.0 m/s で動き出しました。2.0 kg の台車の速度と、バネに蓄えられていたエネルギーを求めなさい。

    この問題をツールで開く

    解答を表示
    1. 分裂前の全運動量はゼロですから、分裂後もゼロのまま保たれます:

      0=2v1+3(2) ⇒ v1=−3 m/s0=2v_1+3(2)\ \Rightarrow\ v_1=-3\ \mathrm{m/s}
    2. 生じた運動エネルギーは、すべてバネに蓄えられていた弾性エネルギーによるものです:

      E=12(2)(3)2+12(3)(2)2=9+6=15 JE=\tfrac12(2)(3)^{2}+\tfrac12(3)(2)^{2}=9+6=15\ \mathrm{J}
    3. フィルムを逆再生してみましょう。二台がそれぞれの速さで向かい合って進み、衝突して合体し、ピタリと静止します。u₁ = 3 m/s、u₂ = −2 m/s で合体する完全非弾性衝突は、まさにこの逆再生そのものです。

      (m1+m2)v=2(3)+3(−2)=0 ⇒ v=0,ΔK=15 J(m_1+m_2)v=2(3)+3(-2)=0\ \Rightarrow\ v=0,\qquad \Delta K=15\ \mathrm{J}

    解答

    左向きに 3 m/s、エネルギーは 15 J。二台の運動量は大きさが等しく向きが逆ですが、軽い台車の方が速く動き、15 J のうち 9 J を担います。反動による分裂は完全非弾性衝突の逆再生にほかなりません。だからこそ、この問題は 15 J すべてが失われる衝突と表裏一体なのです。

    v1=−3 m/s,E=15 Jv_1=-3\ \mathrm{m/s},\qquad E=15\ \mathrm{J}
  7. 壁に衝突するボール 4 ステップ

    0.40 kg のボールが 12 m/s で壁に衝突し、一直線上を 8.0 m/s で跳ね返りました。接触時間は 20 ms で、壁が及ぼす力は一定の割合で最大値まで立ち上がったのち、同じように一定の割合でゼロまで減少しました。力積、平均の力、力の最大値、反発係数を求めなさい。

    解答を表示
    1. 跳ね返る向きを正とすると、ボールの入射時の速度は −12 m/s です。力積は運動量の変化量から求まります:

      J=m(v−u)=0.40 (8−(−12))=8 N sJ=m(v-u)=0{.}40\,\bigl(8-(-12)\bigr)=8\ \mathrm{N\,s}
    2. 接触時間全体における平均の力:

      Fˉ=JΔt=80.020=400 N\bar F=\frac{J}{\Delta t}=\frac{8}{0{.}020}=400\ \mathrm{N}
    3. 力積は力と時間のグラフ(F-t グラフ)が囲む面積でもあり、ここでは三角形をなします:

      J=12Fmax⁡ Δt ⇒ Fmax⁡=2(8)0.020=800 NJ=\tfrac12F_{\max}\,\Delta t\ \Rightarrow\ F_{\max}=\frac{2(8)}{0{.}020}=800\ \mathrm{N}
    4. 壁は動かないため、離れる相対速度はボール自身の速さそのものです:

      e=812=0.6667e=\frac{8}{12}=0{.}6667

    解答

    力積は 8 N·s、平均の力は 400 N、最大値は 800 N、そして e = 0.6667 です。跳ね返ることで、受ける力積はさらに増大します。壁の前でピタリと止まるボールなら力積は 4.8 N·s で済みますが、跳ね返るこのボールでは 8 N·s を要するのです。

    J=8 N s,Fˉ=400 N,Fmax⁡=800 N,e=0.6667J=8\ \mathrm{N\,s},\quad \bar F=400\ \mathrm{N},\quad F_{\max}=800\ \mathrm{N},\quad e=0{.}6667

補充問題(答えのみ)

  1. 速さ 20 m/s で走る 1,500 kg の自動車が、前方を同方向に 10 m/s で進む 1,000 kg の自動車に追突して合体しました。一体となった自動車が進み出す速さと、失われた運動エネルギーはいくらでしょうか。

    答えを表示

    16 m/s、30,000 J。

    v=1500(20)+1000(10)2500=16 m/s,ΔK=350 000−320 000=30 000 Jv=\frac{1500(20)+1000(10)}{2500}=16\ \mathrm{m/s},\qquad \Delta K=350\,000-320\,000=30\,000\ \mathrm{J}
  2. 速さ 5.0 m/s の 0.20 kg のボールが、静止している 0.30 kg のボールに正面から弾性衝突しました。衝突後のそれぞれの速度を求めなさい。

    答えを表示

    −1.0 m/s(跳ね返る向き)および 4.0 m/s。

    v1=0.20−0.300.50(5.0)=−1.0 m/s,v2=2(0.20)0.50(5.0)=4.0 m/sv_1=\frac{0{.}20-0{.}30}{0{.}50}(5{.}0)=-1{.}0\ \mathrm{m/s},\qquad v_2=\frac{2(0{.}20)}{0{.}50}(5{.}0)=4{.}0\ \mathrm{m/s}
  3. 0.058 kg のテニスボールが 30 m/s で入射し、ラケットと 5.0 ms 接触したのち逆向きに 25 m/s で打ち返されました。力積と平均の力を求めなさい。

    答えを表示

    3.19 N·s および 638 N。

    J=0.058 (25+30)=3.19 N s,Fˉ=3.190.0050=638 NJ=0{.}058\,(25+30)=3{.}19\ \mathrm{N\,s},\qquad \bar F=\frac{3{.}19}{0{.}0050}=638\ \mathrm{N}
  4. 硬い床の上に高さ 1.80 m から落としたボールが、1.25 m まで跳ね上がりました。反発係数はいくらですか。

    答えを表示

    0.8333(e = √(1.25/1.80) より)。

    e=1.251.80=0.8333e=\sqrt{\frac{1{.}25}{1{.}80}}=0{.}8333
  5. 4.0 kg のライフルが 0.010 kg の弾丸を 400 m/s で発射したとき、反動によるライフルの後退速度はいくらですか。

    答えを表示

    1.0 m/s(弾丸の進行方向と逆向き)。

    v=−0.010(400)4.0=−1.0 m/sv=-\frac{0{.}010(400)}{4{.}0}=-1{.}0\ \mathrm{m/s}

学習の道すじ

力ではなくエネルギーで