| 正弦 | |
|---|---|
| 余弦の三通りの式 | |
| 正接 |
レッスン
理論 — 倍角の公式
倍角の公式は、Aの三角関数の値からsin 2A、cos 2A、tan 2Aを求める公式です。逆にAの三角関数について解けば、半角の公式が得られます。
公式の導き方
- 加法定理でB = Aと置きます。正弦の式では二つの積が等しくなり、余弦の式は平方の差になります。
- 一方の平方を、もう一方で表します。sin²A + cos²A = 1を使うと、cos 2Aを表す式がさらに二通り得られます。余弦だけの式と、正弦だけの式です。
- 正弦を余弦で割り、正接を求めます。分子と分母をcos²Aで割るには、cos A ≠ 0が必要です。また、得られた式はtan²A = 1のとき値を持ちません。これはcos 2A = 0となる場合です。
- 余弦の倍角の公式を、半角の値を求める形に変えます。cos²Aとsin²Aを求めたら、平方根の符号を選びます。その符号はAの象限におけるcos A、sin Aの符号で決まり、公式だけでは選べません。
- 方程式では、三角関数を一種類にそろえます。sin xの項があればcos 2x = 1 − 2sin²xを、cos xの項があればcos 2x = 2cos²x − 1を使います。sin 2xを展開して共通因数が現れたら、その因数で割らずにくくり出します。
全プロセスの詳細解説
-
正接の値と象限から、倍角の値を求める 4 ステップ
tan A = 3/4、180° < A < 270°のとき、sin 2A、cos 2A、tan 2Aの値と、2Aの属する象限を求めなさい。
-
辺の比が3:4:5の直角三角形から絶対値が分かります。第III象限では正弦も余弦も負なので、
-
倍角の公式を使います。正弦の式では、負の数どうしの積が正になります。
-
正接の倍角の公式には、tan Aの値だけを代入すれば十分です。
-
2Aは360°と540°の間にあり、正弦も余弦も正です。したがって、一回転した先の第I象限にあります。
解答
sin 2A = 24/25 = 0.96、cos 2A = 7/25 = 0.28、tan 2A = 24/7 ≈ 3.4286。2A ≈ 433.7398°は第I象限にあります。
-
-
半角の公式で正確な値を求める 3 ステップ
cos 30°を使ってcos 15°の正確な値を求め、(√6 + √2)/4と等しいことを示しなさい。
解答を表示
-
cos 2A = 2cos²A − 1でA = 15°と置き、cos²15°について解きます。
-
15°は鋭角なので、正の平方根を取ります。
-
加法定理から得られる値を二乗して比べます。どちらも正なので、二乗が等しければ元の値も等しくなります。
解答
cos 15° = √(2 + √3)/2 = (√6 + √2)/4 ≈ 0.9659。
-
-
二次方程式から正接の正確な値を求める 3 ステップ
tan 45° = 1とtan 2Aの公式を使って、tan 22.5°の正確な値を求めなさい。
解答を表示
-
t = tan 22.5°と置き、2A = 45°として倍角の公式に代入します。
-
二次方程式を解きます。
-
22.5°は鋭角なので、正接は正です。もう一方の解−1 − √2はtan 112.5°の値で、この角も倍にすると正接が1になります。半円の中の三角形を使っても、同じ値が求められます。
解答
tan 22.5° = √2 − 1 ≈ 0.4142。
-
-
cos 2xの式を選ぶ 3 ステップ
0° ≤ x < 360°の範囲で、方程式cos 2x = sin xを解きなさい。
解答を表示
-
もう一方の項が正弦なので、cos 2xを正弦だけの式で表します。
-
sin xについての二次式として因数分解します。
-
sin x = 1/2となるのは30°と180° − 30°、sin x = −1となるのは270°だけです。
解答
x = 30°、150°、270°。cos²x − sin²xを使うと、方程式に余弦と正弦が両方残ってしまいます。
-
-
共通因数でくくって解を求める 3 ステップ
0° ≤ x < 360°の範囲で、方程式sin 2x = cos xを解きなさい。
解答を表示
-
sin 2xを展開し、すべての項を片辺に移します。
-
両方の項に共通するcos xをくくり出します。
-
積が0になるのは、少なくとも一方の因数が0のときです。
解答
x = 30°、90°、150°、270°。最初の式でcos xで割ると、得られるのは30°と150°だけです。cos x ≠ 0を仮定したために、cos x = 0となる解が失われます。
-
-
二乗を倍角で表して積分する 3 ステップ
sin²xをcos 2xで表し、それを使ってsin²xの0からπ/2までの定積分の正確な値を求めなさい。
解答を表示
-
cos 2x = 1 − 2sin²xを変形します。
-
この形なら、各項を積分できます。
-
sin π = sin 0 = 0なので、値が残るのはx/2の項だけです。
解答
定積分の値はπ/4 ≈ 0.7854です。この範囲でのsin²xの平均値が1/2なので、区間の長さの半分になります。
-
-
半角の公式を証明する 3 ステップ
両辺が定義される範囲でsin 2A/(1 + cos 2A) = tan Aが成り立つことを証明し、A = 30°で確かめなさい。
解答を表示
-
分子と分母に共通因数が現れるように、倍角の公式を選んで代入します。
-
tan Aが定義される範囲では2 cos A ≠ 0なので、2 cos Aで約分できます。
-
A = 30°を代入すると、
解答
sin 2A/(1 + cos 2A) = tan Aが成り立ちます。30°では両辺とも√3/3 ≈ 0.5774です。半円の図では、Pの高さを、直径が分けられたうちの長いほうの長さで割った値にあたります。
-
補充問題(答えのみ)
-
tan A = 2で、Aは鋭角です。tan 2Aを求めなさい。
答えを表示
−4/3
-
0° ≤ x < 360°の範囲で、方程式cos 2x + 3 cos x + 2 = 0を解きなさい。
答えを表示
x = 120°、180°、240°
-
0° ≤ x < 360°の範囲で、方程式sin 2x = sin xを解きなさい。
答えを表示
x = 0°、60°、180°、300°
-
sin 22.5°の正確な値を求めなさい。
答えを表示
√(2 − √2)/2 ≈ 0.3827
-
cos A = 1/3で、Aは第IV象限にあります。sin 2Aとcos 2Aの正確な値を求めなさい。
答えを表示
sin 2A = −4√2/9 ≈ −0.6285、cos 2A = −7/9
-
cos 3A = 4cos³A − 3cos Aを証明しなさい。
答えを表示
加法定理でcos(2A + A) = cos 2A cos A − sin 2A sin Aと展開し、cos 2Aに2cos²A − 1、sin 2Aに2 sin A cos Aを代入します。さらにsin²A = 1 − cos²Aを使って整理します。
学習の道すじ
三角関数の恒等式と方程式
参考文献 (3)
- The double-angle formulae with all three forms of cos 2θ, the half-angle formulae with their quadrant sign and tan(α/2) = sin α/(1 + cos α), and the power-reducing formulae: J. Abramson, Precalculus 2e, OpenStax (2021), section 7.3, “Double-Angle, Half-Angle, and Reduction Formulas”.
- Insight block 1: the angle at the centre is double the angle at the circumference on the same arc, which puts A at W when 2A is at the centre: Euclid, Elements, Book III, Proposition 20. D. E. Joyce (ed.), Clark University.
- Insight block 1: the angle in a semicircle is a right angle, so WPE is right-angled at P: Euclid, Elements, Book III, Proposition 31. D. E. Joyce (ed.), Clark University.